スマホのアラームが鳴る。

はっと目が覚めたのは、朝のキッチンだった。

「（そら）いけない！お弁当作ってて、いつの間にか寝ちゃってたんだ！」



私は徳田そら、25歳OL。

今までのことは……夢？

魔法少女カラットは……レモン星人は……？

テーブルの上をふと見ると、そこには冷凍からあげ『特から®』の紫色のパッケージ。

「（そら）よかった、ちゃんとからあげは存在してる世界みたい。でも……」



ためいきが出てきちゃう。

あーあ、やっぱり夢か。そうよね、私が魔法少女なんて……。



「（カララッチ）ね？ ちゃんと遅刻しない時間に戻ってきたカラ？」

「（そら）このイラっとする声。これは……！」



不意に聞こえた声に、振り返る。

そこには、カララッチと、4人の魔法少女たち。

「（そら）タッタ、レタ、ネムネム、チキ。みんな…！」

「（レタ）大変なのカラット、今度はからあげとタルタル星人が全面戦争する世界になってしまったの」

テレビをつけるとタルタル星人が宣戦布告をしている映像がニュースで流れている。

『からあげに合うのはタルタルソース一択！レモンだけかけて俺たちのことを放置するなんて、恩知らずどもめ！ からあげ粉に法的に規制して取り締まる！』

「（そら）そんな……マヨネーズだってスイートチリソースだって合うのに！」

「（タッタ）行くやでカラット、変身よ！」



魔法は誰の中にだってある。

年齢も、性別もまるで関係ない。「好き」の気持ちさえあれば。

からあげが大好きな25歳の私は……



「（そら）からあげ魔法少女・カラット、カラッと解決！」